初フルマラソン、長井マラソン大会

 雨降ってるぅ、寝坊したぁ…
 泥のように寝こけてて、おきれなかった。アパートの清掃があるバウアは雨降っててうれしそうだけど、私はブルー。
この季節、雨の中走るのはきついな。
 寝坊してしまったので、みんなの分の朝ごはんの準備はごめんしてもらって、一人納豆餅をぱくついて、エイドにおいておくスペシャルドリンクの準備を大急ぎで。エネルギー切れが怖いので、五キロごとある給水所に全部カーボショッツをおいておこう。
 今日は私の永遠の憧れの人、Sさんの車に乗せていってもらいます。
フル初挑戦のときにSさんとはしれるなんて、ほんとうれしいし、心強い。
 私のここ3日くらいの無茶を聞いて、Sさんはあきれてたけど、ここまできたら走るしかないよね。
 風は強いけど、雨はやんでくれたんでよかった。会場にはすでにRジムやLジムTジムのラン仲間、トライアスロンの先輩方などもきていて、さらに心強い。
 肝臓も体も疲れている私は、どれだけはしれるのかわからないけど、「とってもきつい練習」のつもりだからと、いい意味で緊張しないですんでいる。目標は一応、サブ4だけど、完走できれば御の字さ。
 例によって、例のごとくアップなしでね。どうせ40キロ走るんだからさ。
 スタート。
 Sさんと併走しながらね、スタートの混雑の中をゆっくり走る。道のりは長い、あせってもしょうがないさ。一キロくらい走ると少しばらけてきたから、Sさんは「じゃ、がんばって」と先に行ってしまった。ここからは一人旅。風が強いからなるべく集団の中で、もしくは背の高い人の影になるようにしながら、ゆっくり目に走る。意外と走れるかもしんない。最初の五キロは28分23。目標のキロ5分40どおり。いい感じ。
 給水しない人も多い中、最初の給水所でもしっかり立ち止まって、ショッツ注入。のどが渇いてなくても、おなかがすいていなくても、しっかり補給をしていく、これが佐渡で学んだこと。
 道のりが長いので、「次のエイドまで、五キロをがんばる」と短い距離だけを考えて走ることにした。
初フルだからペースなんてわからないし、私はどうせ飛ばせない。走り終わって、「まだはしれたな」って後悔するより、途中でつぶれてもいいから思い切っていこうと決めた。
 5キロから10キロは27分40。体が温まってきて、ペースがあげられるようになってきた。Sさんのあどばいすどおりに、かかと着地をしないように、足の裏を真上から着地するように心がけて、歩幅を小さく、その分ピッチをあげてリズムよく走る。
 わたし、けっこう走れてる。下り坂はスピードを殺さないように足をすばやく出すようにこころがけて…10キロから15キロは25分50
なんと、5分10ぺーす。このままいけるかな?たぶん最後までもたない。でも、どこまでもつのか、見てみたい。抑えないでいってみよう。
 三年前の初ハーフの時はほんときつかったけど、今回ハーフ地点ではまだ余裕。ハーフってこんな短かったっけ?29分03。上り坂が多かったからかな?結構落ちたね。ここまで1時間51分19。佐渡の時が2時間01だから、まあまあいい感じ。このままだとサブ4ねらえるんだけど、そう簡単にはいかないよね。
 先に折り返してきているSさんやほかの知り合いに声をかけて、かけてもらって元気をもらいます。どうやら私は女性4位みたい。
入賞なんてまるっきり頭になかったけど、ねらえるならねらいたい。なんとか前の人だけでも抜けないかな?
 折り返して、少しペースアップ。20キロから25は27分42。やった二人抜けた。このまま逃げ切れるかな?
 25〜30も26ふん52。下りベースだから当たり前か。
 さんざんSさんに脅かされてきた30キロすぎ。本当に体が動かなくなってきた。お尻、ももうらが痛くて足がでない。上半身でもっていこうとしても、既に肩周りも疲れてきてる。私が心配してたとおり、3時間をすぎると、とたんに体が動かなくなる…〔泣〕
 こんなとき、水泳のSコーチの「辛くなってからが、練習」この言葉を自分に言い聞かせる。「そうなんだ、今日は来年のロングのための練習なんだ、苦しいところをがんばってこそ、力がつくんだ」とぼそぼそいいながら、体を前に進めていく。
30から35は30分32。キロ6分06まで落ちちゃった。もうサブ4は無理かな?それより最後まで走れるのかな?
 最後の給水所をすぎてから、本当に体が動かなくなってきちゃった。立ち止まっている人、歩いている人もたくさんいる。私もとまってしまいたい。あるいてしまいたくなる。ここまできたら精神力の問題。走りは負けてるかもしれないけど、根性だけは負けたくない。自分に負けたくない。もうサブ4なんてどうでもいい。入賞とかもどうでもいい。これ以上速くは走れないから、抜かれたら抜かれただし、記録もどうでもいい。とにかく止まらないで、歩かないで、走る。走りきることだけを考えて、体を前へ。
 35キロから40キロは33分01。もうぼろぼろだね。息も絶え絶えで、フォームもめちゃくちゃで、すっげーかっこ悪い。泣きそう。
 でもあと二キロ。ゴールしたら一歩も歩けないくらい、全部出し切りたい。最後の一キロのところで、抜かれざま「ラスト!がんばれ」と知らないおじ様に一喝された。そうだ、ラストスパートだ。もう走れない体なのに、一生懸命もがく。颯爽と疾走…という具合にはいかなくて、どたどたともがいているだけだけど、それでも全力で。
 ゴール。
 4時間01分04
やっぱりサブ4には届かなかった。でも、よくがんばった、自分。
 はしったんだね、42.195キロも。
 二位入賞のご褒美はだし醤油でした。ありがとうございます。
Sさんからは「ドタコちゃんの肝臓はもう心配しないよ」と半分呆れ顔でいわれてしまった。ゴールでSさんが待っててくれてると思うからがんばれたのもあるんですよー。あきれないで、また練習付き合ってくださいよー。
 ロングって、このフルマラソンの前に3.8キロ泳いで、190キロバイクなんだぁ…気が遠くなる感じ。
 それでもやるよ、私は挑戦するよ。フルマラソン走るのだって、三年前の私だったら想像もできなかったんだから。やる気でやれば、できないことではないはず。自分は自分で思っているよりも、もっと強いのかも知れない。速くはないけど、その強さがあれば、速くもなれるかもしれない。
 応援してくれたみなさん、ほんとにありがとうございます。みんなの応援でがんばれました。
これからも応援、よろしくお願いします。まだまだがんばるので。