とうちゃんのこと

 金曜日はグループホームに入居しているとうちゃんを病院に連れて行く日。
と、字ずらだけ見ると、なんか親孝行な殊勝な娘みたいね。
全然違うわけです。
とうちゃんとこに行くのは、金曜日と水曜日だけ。あとは施設任せな訳だ。
言い訳はいろいろできる。嫁にいった娘なんだからとか、子どもが四人もいてまだ小さいんだからとか、一応働いてるんだからとかね・・・・
全て言い訳です。
要は見たくないんです。自分の親が年取っていく様子なんてのは、関わりたくもないんです。
施設の人からとうちゃんが迷惑かけてる話をいろいろされると、本当に悲しくなるのです。耐えられない気持ちがするのです。

年をとるということは、ひたすらなにかを失って、できなくなって、周りに迷惑をかけてしまうことだけなのだろうか?

とうちゃんはとうちゃんで、必死で生きてきて、がんばって私たちを育ててくれて、今だってがんばって生きているのに、娘の私がそんな目でしかとうちゃんのことを見れないのは、あまりに無情なことなのではないか?

でもとうちゃんと同居して・・・・なんて覚悟は私にはもてないのです。24時間、介護してなんてことはわたしゃにゃできない。
そんな自分がなんとも情けない。